Socially Engaged expression-Related Education of Arts and Literature
文学と芸術を通じた地域社会参画型表現教育プログラム
幸田露伴『五重塔』
【書誌情報】
この作品は、1891年11月から1892年3月まで新聞『国会』に掲載され、
1892年青木嵩山堂刊『小説 尾花集』に収録されました。
1994年に岩波文庫から出版された改版『五重塔』が読みやすく、
市川南口図書館にも所蔵されています。
【市川駅南口図書館の配架情報】
五重塔(岩波文庫)
幸田 露伴/岩波書店, 1994年
請求番号:B913.6/コ
作品解説
「のつそり」こと十兵衛と親方による二人の師弟の
五重塔建築の指揮官を巡る物語。
師弟の二人や親方の奥さんなど、複数の視点から物語が展開されており、二人を中心に関わる人々の想いや立場、そして「情」が、名誉な五重塔建築を巡ってテンポよく濃縮されているストーリー。
職人として譲りたくないものを、どうやって折り合いをつけていくのか、仕事に対する二人の抱えるプライドと葛藤は、現代社会で他者と支え合って生きている私たちにも共感できる心情だろう。
師弟という関係性だけで見れば、親方が譲ってやれよと第三者から見れば思うかもしれないが、十兵衛の性格を知ると逆に親方が不憫に感じてしまうかもしれない。
話し合いで解決するかと思えばアグレッシブなハラハラする一面もあったり、当事者間だけで収まらない二人に関係する人間の「情」が強く描かれていたり、「人間」らしさを魅力的に表現していたりするところにも注目。
記述:S.R
作品に関連した場所
市川市の正中山法華経寺で祀られている鬼子母神が、清吉という男の成長祈願に彼の母が行く場面で登場している。
彼らがどんな性格をして、どんな想いで過ごしていたのか、ぜひともご一読あれ。
📍正中山法華経寺
〒272-0813
千葉県市川市中山2-10-1
【交通情報】
👣JR総武線下総中山駅より
徒歩10分
👣京成線京成中山駅より
徒歩5分