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伊藤左千夫『野菊の墓』

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 崖の上にある茄子畑ではないが、ここからは夕陽と共に矢切の田園と江戸川、そして矢切に住まう人々の暮らしを眺望できる。

 ここで政夫が恋をはっきりと自覚したあの瞬間を想起してみるのはどうだろう。小説にある4時頃訪れると更に物語に浸ることができるかもしれない。

【書誌情報情報】

伊藤左千夫『野菊の墓』

『ホトトギス』ホトトギス社、1906年1月

 

【市川駅南口図書館の配架情報】

野菊の墓(新潮文庫)

伊藤 左千夫/新潮社 ,2018年

請求番号:B913.6/イ

解説文
小説に登場した場所

​作品解説

 主人公の政夫には、後の月(旧暦9月13日夜の名月)という時期が来るとどうしても思わずにはいられないことがある。それは10年以上も昔、政夫がまだ15歳であった時、母親の看護のためにやってきていた二つ年上のいとこ、民子のことである。政夫と民子は非常に仲が良く、何かと二人でふざけあう、姉弟のような関係であった。しかし、そのような二人の関係が邪推され、あらぬ噂を立てられるようになると、母親から二人の行動を制限するように言われてしまう。この事が二人に恋愛的な感情を芽生えさせるきっかけとなり、周りからの目は余計に厳しいものとなってしまうのであった。

記述:Y.M、S.R

​作品に関連した場所

 市川市は民子の実家のある場所として登場し、政夫が民子に会おうと、市川に足を運ぶ場面も描かれている。物語の中心的な舞台である政夫の家は市川市のすぐ近く、松戸市下矢切にあり、ここには現在文学碑が建てられている。物語中には矢切の渡しも登場する。実際に舟で川を渡ることもできるので、川の上から政夫と民子の人生に想いを馳せてみてはどうだろうか。

📍『野菊の墓』文学碑

 〒271-0096

 千葉県松戸市下矢切261

【交通情報】

👣北総線矢切駅より

 徒歩10分

👣京成線国府台駅より

 徒歩35分

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